介護老人保健施設(老健)

老健の入所期間が3か月~6か月程度と言われる理由

投稿日:2018年11月11日 更新日:

老健の入所期間

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老健の入所期間は3か月~6か月が限度という認識の方、多いと思います。

最初に言ってしまうと、老健の入所期間に関する決まりはありません。

つまり、6か月以上いても良いということになります。

 

まるっちょ。
こんにちは。

支援相談員のまるっちょ。(@sw_maruccho)です。

 

この記事で知っていただきたいのは次の2つです。

 

  • 老健に入所期間の期限はないこと
  • 入所期間が3か月~6か月とされる理由

 

入所相談に来られる方も、入所期間に関しての相談は必ずといって良いほど出ますね。

それでは、お話を進めていきましょう。

 

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老健に入所期間の制限はない

 

老健の入所期間に関して法律等で定められているかというと、答えはNOです。

老健の入所期間について制限はありません。

 

入所期間の制限がないのに、老健側から「入所期間は3か月です」なんて言われたりすることがあります。

それは、「老健側が決めていること」です。

 

つまり、その老健施設で入所期間は決めているのです。

 

その老健が6か月にしようと決めれば6か月になりますし、最高でも1年までにしようとなれば1年となります。

私の施設の場合、ずっといられる施設ではないことを説明したうえで、「当苑では入所期間は定めていません」とお伝えしています。

 

それではなぜ、老健の入所期間が3か月や6か月とされているのでしょうか。

 

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老健の入所期間が3か月~6か月とされる理由

 

老健の入所期間が3か月~6か月とされる理由には次の6つがあります。

  • 中間的施設であること
  • 医療保険制度の名残
  • 短期集中リハビリテーション期間が3か月まで
  • ベッド回転率
  • 在宅復帰率
  • 地域的な理由

それぞれの理由について、1つずつご説明していきます。

 

中間的施設であること

 

老健は、介護保険法でも定められている通り、「在宅復帰・在宅支援」をする施設です。

つまり、「自宅で生活することを支える」ということです。

 

老健が在宅復帰や在宅支援を役割としているため、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を配置するリハビリ施設の役割もあります。

 

たとえば病院を退院して老健に入所する人にとっては、老健でリハビリをして自宅へ復帰する。

もしくは、老健でリハビリをしながら特養の入所順を待つ。

 

このように、老健は必ず次の行先を決めないといけない施設です。

つまり、中間的な機能を果たすためにも期限を設けることが必要とされます。

 

医療保険制度の名残

 

さて、老健の正式名称は介護老人保健施設です。

保険は、介護保険が適用されますね。

 

介護保険法が始まったのは2000(平成12)年のことです。

老健は、介護保険が始まる前から存在しています。

 

介護保険前の老健というのは、医療保険の範囲で行われていました。

老健が出来た後、逓減性というものが導入されました。

 

これは、6か月以上入所している人の療養費が安くなるというものです。

逓減性の導入により、入所利用者は得、施設は損といった状況が起こります。

 

施設としては、6か月以上の人に利用してもらっているよりも、新規で入所してきた人の方が同じ1人でも療養費が高いわけですから、入所期間を6か月と設けてしまって利用者が回転した方が稼働が良いということです。

 

現在は介護保険で運営されていて、療養費の逓減性はありませんので何か月入所しても基本となる療養費に差が出ることはありません。

しかし、逓減性が導入されていた背景もあり、3か月~6か月と言われている理由の1つです。

 

短期集中リハビリテーション加算が3か月まで

 

先ほど、逓減性はもうないんですよというお話をしましたが、これからお話する短期集中リハビリテーション加算は逓減性の考え方に近い現象を起こします。

 

老健は、1日20分以上のリハビリを週2回以上行うことが義務づけられています。

私のいる施設でも、リハビリは週2回行っています。

※施設によっては週3回の場所もあります。

 

しかし、短期集中リハビリテーション加算を施設側が算定すると、リハビリの回数が週5回以上になります。

私のいる施設では週5回としていますが、施設によっては週6回行っているところもあります。

 

この短期集中リハビリテーション加算は、1回のリハビリで240単位が加算されます。

週5回行うと、1200単位ということになり、4週間で4800単位となります。

1か月でおおよそ5000円程度の金額です。

 

短期集中リハビリテーション加算は、入所中ずっと算定できるものではありません。

入所から3月と決まっています。

 

つまり、入所から3か月間は1日20分以上のリハビリを週5回以上受けられるというのが短期集中リハビリテーション加算です。

 

先ほど、短期集中リハビリテーション加算は1か月で5000円程度と話しましたが、これは介護保険の自己負担1割の方が施設に支払う金額です。

施設には、利用者から請求する分と国や地方自治体から支払われる合計して50000円程度が入ってきます。

 

この金額は、利用者1人あたりです。

 

ここで先ほどの逓減性の話が出てきます。

新規で入ってきて短期集中リハビリテーションを算定した利用者は、最初の3か月間は加算分の50000円程度が施設に入ってきます。

 

3か月以降は加算が算定できません。

つまり、マイナス50000円ということになります。

 

これを考えれば、施設としては短期集中期間を終えた方には退所していただいて新規の方に入ってきてもらった方が収益が増えるということです。

 

これが短期集中リハビリテーション加算が老健の入所期間を3か月~6か月にしている理由の1つです。

 

在宅復帰率

 

次は在宅復帰率のお話をします。

平成30年度の介護報酬改定により、老健が5つのタイプに分けられました。

  • その他型
  • 基本型
  • 加算型
  • 在宅強化型
  • 在宅超強化型

 

この分類は、指定された10項目に対する前3~6か月の実績に応じて決まります。

指定された10項目は次のような内容になっています。

 

  1. 在宅復帰率
  2. ベッド回転率
  3. 入所前後訪問指導割合
  4. 退所前後訪問指導割合
  5. 居宅サービス実施数
  6. リハ専門職配置割合
  7. 支援相談員配置割合
  8. 要介護4~5割合
  9. 喀痰吸引実施割合
  10. 経管栄養実施割合

 

この10項目の実績が、どの老健になるかを左右します。

 

今回は、項目ごとの説明については割愛させていただきます。

最初の2つ、在宅復帰率とベッド回転率だけお話していきます。

 

さて、最初に在宅復帰率に関してですが、簡単に言えばどれだけ自宅に帰したかということです。

正確には、自宅以外の施設、有料老人ホーム等に退所された方も在宅扱いでカウントして良いといった決まりはありますが、ここではその説明は省きます。

 

つまり、在宅と呼ばれる環境に退所する方を増やす必要があるために期限を設けて退所していただく必要性が出てくるのも入所期間が決められてしまう理由です。

 

ベッド回転率

 

それでは、ベッド回転率とはどのようなものでしょうか。

これは簡単で、どれだけご利用者が入れ替わっているかということです。

 

出入りが多くなればベッド回転率は上がります。

このベッド回転率も老健がどのタイプになるかを決める指標なので、施設が力を入れて取り組む部分です。

 

ベッド回転率を上げるためには、ご利用者の出入りを増やさないといけない。

つまり、短期間で退所してもらう必要性があるということです。

 

こういったことも入所期間が3~6か月になる理由の1つになっています。

 

地域的な理由

 

最後に、地域的な差についてお話をします。

たとえば、次から次へと老健を利用したい人が集まる地域と、集まらない地域があるとしましょう。

 

次から次へと利用者が集まる地域の老健は、入所期間を短期間にして多くの人に利用してもらえるようにするでしょう。

しかし、利用者が集まらない地域では、どんどん退所してしまうとその老健の運営が危なくなってしまいます。

 

つまり、利用希望者が多い地域では3~6か月と入所期間を設けて運営しているのも1つの理由です。

 

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まとめ

 

ここまでお伝えした通り、「老健の入所期間は3~6か月という決まりがあるのですか?」と聞かれれば、「ありません」というのが私の答えです。

しかし、介護保険法や老健の本来の役割という部分でお話をすれば、「ずっといる施設ではない」というのは確かです。

 

各老健が色々な運営方針で行っているため、支援相談員の方としっかりと相談してみるのが良いと思います。

この記事も参考にしていただきながら、入所されている方の今後が幸せであるような決定をしていただけると幸いです。

 

 

費用については【老健の費用は生活保護受給者だと1か月いくらかかるの?】の記事で、生活保護ではない方も分かるかと思います。

 

 

 

 

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